サピックスのデイリーチェックを作業のようにやってはいけない理由
デイリーチェックとは
サピックスのデイリーチェックはご存知の通り前回の授業内容が出題範囲となる確認テストです。復習に重きを置いたサピックスらしい授業内容の定着を測るテストです。平常授業の初めに20分前後で行われます。出題範囲は前回の授業内容ですが、デイリーサポートで授業中に説明がなかった部分も範囲に含まれます。つまり、授業で説明のなかった部分は自力で学習する必要があります。
デイリーサポートについて
では授業でやらなかった部分のデイリーサポートはどのように進めていけばいいのでしょうか?デイリーサポートの説明はαクラスの生徒を対象にしているため、基礎は出来ていて当たり前。そのため、ミドルクラスのお子様にとっては解答をみても解き方の筋道が理解できないケースもしばしばあります。このあたりはしっかり整理してあげないと成果につながらないばかりか、復習が捗らず、貴重な時間を大幅に無駄にすることになります。
お子様の状況によっては必要のない問題も多く含まれるので、必要のないものはバッサリ削ってしまいましょう。デイリーチェックはクラス分けには関係ありません。目先のデイリーチェックで高得点を取るためにお子様に負担をかけるのであれば、不完全な部分にさかのぼって苦手を克服する時間に充てたほうが志望校合格という観点からはよほど有意義です。
デイリーサポートは授業で勉強した分は完全に仕上げ、その他の部分はお子様の状況に合わせて進めていく事が必要です。
サピックスでは宿題をこなす事を目的にしてはいけない
サピックスの宿題は大量です。そのため、作業のように宿題をしている生徒もかなりの数に上ります。しかし、それではしっかりとした知識として定着しません。課題は自分の頭で考え、解答への筋道を理解してはじめて実力として身につきます。作業のように宿題をこなす生徒の多くが、デイリーチェックでは点が取れても、マンスリーテストや組み分けテストではサッパリという状況に陥ります。狭い範囲の中であれば点数が取れるが、範囲が広くなると点数が取れない。これは解法や答えそのものを丸暗記しているため、暗記量が増えてくるとドンドン頭から消えてしまうからです。
しかも、このケース問題点は日々のデイリーチェックでは点が取れる故に、マンスリーテストや組み分けテストで失敗するまで、ホントは実力が身についていないと気付かない事です。つまり、実力がついていないと気付くまでの勉強に費やした時間は効率的にはとても悪い、ほとんど実力として定着しない勉強時間になってしまうという事です。
基本的にサピックスの宿題はすべてこなす必要はありません。目標はあくまでも中学受験を成功に終わらせることです。デイリーサポートは非常に良質ですが、すべてこなそうとすると膨大な時間を必要とします。サピックスが用意する良質な問題の中から、お子様の志望校に合わせて良いとこ取りをする。そして、作業にならず考えながらこなせる量を与える。これが理想の形です。