『次の信号を左折して下さい。
二つ目の信号を右折して下さい。
白名井交差点の右折レーンからUターンして下さい。
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万智乃工務店の先を左折して30m進むと目的地です。お疲れ様でした。
もうこの町のこと分かりましたね!次は試験です。
三丁目7番地の三叉路を北東方向に約100m進んだ所にある約2a(アール)の果樹園の2つ先の角を左折して道の右側4軒目の田中さん宅までカーナビ無しで行って下さい。あ、一方通行があるかどうかは知りませーん。』
解法丸暗記で入試に挑むのはこれに似ています。
その場所へのルートを理解するとは、決してカーナビの操作ができるようになるということではなく、その土地の地図を持ち、地図の読み方は会得しているということです。更には交通標識や交通ルールも当然承知していて、方向感覚や車窓の変化を読み取る感覚も備えているということです。
例えば、入試の算数で多用される円やおうぎ形が絡んだ複雑な平面図形の場合、決定的な補助線が必要となってくることが殆どです。
引くだけなら補助線は何通りも可能なので、むやみに引くとかえって混乱することにもなります。(実際、子供に補助線を引かせると、図がいくつもの邪魔な線だらけになることはアルアルです)
このとき大事なのが「そもそも円とは何?」ということです。
この大事な大事な「定義」に立ち返ると、一見混沌とした直線と曲線の重なりが一気にシンプルに見えるようになり、更にそれぞれの線が引かれている意図や、それによって起きる各性質まで見えてきます。
なので、円やおうぎ形が絡む問題で子供が迷っていたら、必ずこの「円の定義」や解答に必要な性質(定理)を確認させます。
演習の度「この補助線だよ」で終わらせても、また何度も迷子になってしまうだけです。