合格への道標

チ。-支点(視点)の移動、ピタゴラスの焦りについて-

たまたまチャンネルを回して見つけたこのアニメ「チ。」も、最終回から4~5話目でした。
(もっと早くから気づいていればよかった・・)
天動説と地動説の歴史を科学的見地から紐解く、ある意味科学教育的物語と思いきや、これは完全に古代ギリシアから近代までの西洋哲学の話でした!
敢えて「チ」としたのは「知」に掛けてたんですね。(これについては本題から離れるので割愛)

ここからは理科や算数に寄せたお話。

天動説から地動説へと至る歴史は、言わば「視点の移動」です。
地球を中心に据えて見ようとも太陽を中心に据えて見ようとも、宇宙の仕組みの現実は変わりません。(山手線の電車の先頭に固定カメラを置いて考察しようと、東京タワーのてっぺんにカメラを置いて考察しようと、東京の地理の現実は変わらないのと同じです)
ただ、地球を回転の中心(天動説)として宇宙の姿を明らかにしようとすると、それはとてつもなく困難になってしまいます。(ただ、そもそも天動説が全くの間違いだというわけではなく、そこからスタートすると全体の解明がとてつもなく困難ということです)
天動説が作り出した様々なでっち上げは、新たな解明や発見の度に、手に負えないレベルで複雑にならざるを得ない理論の構築や計算に焦ってのこととも言えます。

三平方の定理で知られるピタゴラスも、この定理が生み出してしまった「無理数(√)」を発見した弟子を処刑しました。
無理数の概念は、生みの親とも言えるピタゴラスでも当時は手に負えないものでした。

しかし、視点を移動するだけで、ものごとが一段階高い次元でシンプルな姿を見せてくれるという体験は誰しもあると思います。
地動説は、ただ回転の中心を地球から太陽に移しただけ(まぁ、ちょっと乱暴ですが)とも言えますが、そのことによって、子供でも太陽系の概要を理解できる程シンプルなシステムになりました。(ケプラーの法則レベルの話は置いておくとして)

ここで端的に思い浮かぶのが中学受験の理科でもお馴染み「てこ・てんびん」です。
てこ・てんびんは、初めは提示された支点を基にその原理を学びます。
しかし、応用・発展となると、提示された支点のままでの解決はとても困難になってきます。(それこそ方程式まで持ち出すはめになります)
そこで視点(支点)の移動です。
支点を都合の良い位置に置き直すだけであっけなく解決します。
さらに、『実は支点はどこに置いても良い』ということまで把握するに至ります。

いわゆる「コペルニクス的転回」は、言うまでもなく算数・理科の各所に潜んでいます。
私達の指導の指針でもあります。

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