算数

万能の者、汝は 比 なり

高校生に数学を教えていると、つい頻繁に口にしてしまう内容があります。

「それ、比でやった方が遥かに早いよ。小学生のときやったでしょ?」
「関数の考え方は当然大事。でもそれ相似でやった方が10倍早いよ。小学生のときやったでしょ?」
「さーて、あとはいつもの面倒なベクトルの計算だね。でもこれ、一本の補助線で三角形の相似に持ち込んだら一瞬だよ。小学生のときやったアレね!」
「さぁ大変な大変な積分計算です。でもそれ、三角形の面積比ですぐ出せるよ。小学生のときやった方法覚えてるかな?」

一般的にサピックスのような中学受験塾では小学5年生から比を学び、そこからは革命でも起こったかのようにそれまでの様々な問題を比の利用で解決していきます。
その中で特に劇的な展開をするのが「速さ」「図形(相似)」と言えるでしょう。しかもこの二つは入試の主役中の主役です。

「速さ」の問題においては、この比の利用によって複雑な問題が格段にシンプルに解けるようになります。(もちろんスピードも格段にUPです)
また、「速さ」の親戚のような「仕事算」でも大活躍となります。

そして、図形分野では満を持して「相似」が登場し、平面図形はもちろんのこと立体図形問題の飛躍的なスピードUPにまで関わって来ることになります。

この「相似」はまた、「速さ」の難問まで進行グラフの図形的処理という形で絶大な力を発揮することにもなります。

小学生で学ぶ「相似」の有能さは、初めに例として挙げたように、時として高校数学を遥かに凌駕してしまう場面を作り出してしまうほどです。

『算数を制する者は中学受験を制す』

とは昔から言われることですが、その続きに

『比を制する者はその算数を制す』

と付け加えてもいいかもしれません。
5年生は、なにはともあれ「比」に対しては最大限の集中力を発揮する必要があると言えるでしょう。

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