サピックス,算数,解きなおし

サピックス対策のプロ家庭教師|東大医進会

サピックスの算数が急落して、戻らない生徒にこそ見てほしいこと。

4年生の時は算数が得意だったのに・・・。
5年生の時は算数が得点源だったのに・・・。
学年が上がってから算数が急落して戻ってこなくなってしまった。
こういった悩みを抱えるご家庭をこれまで数多く、本当に数多く見てきました。
このページではサピックスのマンスリーや組み分けテストで算数が急落して戻らない原因と対策をお伝えしようと思います。

マンスリーや組み分けテストの解きなおしの方法

サピックスに通われている生徒の大多数がテストの解きなおしをしています。しかし、その解きなおしのやり方によって、もっとも差がついてしまう、そして、解きなおしの失敗がなかなか表面化せず、表に出てくる頃には大きな傷となってしまうのが算数です。みなさんの解きなおしはしっかりとした方法や目的で行えていますか?

 

算数を解きなおす意味

ごく当たり前のことですがテストの解きっぱなしには意味がありません。それどころか解きっぱなしでいることは大きな弊害を生み出します。そのため、テストの解きなおしは必須です。

 

では、大きな弊害とは何か?

 

それは次々と「勘違い」を育ててしまうことです。

 

「間違ったところを放っておくのはまずい」とはサピ生のママ、パパなら誰もが考えます。しかし、その中でも特に強く意識したい部分は正解した問題は本当に理解した上での結果だったのかということ。

お子様もママ、パパもマンスリーや組み分けの結果には一喜一憂するものですが、正解がたまたまカンが当たったものであったり、あるいは教わった解法を意味も分からず丸暗記して当てはめた結果上手くいったものであっても、それを「良し」として看過することが大いなる「勘違い」を生み出し、それが後々への大きな負債となります。

そもそもマンスリーや組み分けテストとは、文字通り理解の具合を「検査」するものであり、結果を検査(解きなおし)しなければ本末転倒となります。このあたりをしっかりついてテストを作成し、カリキュラムを作成しているのがサピックスのサピックスたる所以であり、しっかり検査(解きなおし)をせず、理解の度合いが甘い者は突然崖から転がり落ちるように偏差値が急落するのです。

 

解きなおしの方法について

マンスリーや組み分けの解きなおしを行う際は、お子様の理解度に合わせて捨てる問題は潔く捨て、今後の根幹に関わる重要な問題はお子様が完全に理解するまでとことん追求する必要があります。ただし、その時点での完全理解は厳しいと判断したうえで、お子様の理解力の成長や、後に学ぶ新しい考え方(算数の場合は「比」など)の登場まで保留するということはあります。

しかし、ここでの取捨選択や保留の判断はサピックスにおける算数の指導に熟練した者でなければ困難を極めます。熟練者以外が判断を行う場合は大まかな目安として正答率を判断基準にすることが多いでしょう。例えば正答率50%以上の問題で間違ったところは解きなおしを行うといったようにです。しかし、この解きなおしだけでは気づかぬ間にじりじりと傷口を広げることになります。つまり、どこかのタイミングで大きな傷口が開き、偏差値が急落する可能性が高いということです。

では、なにが足りないか?

それは正解した部分における解き方の確認です。この作業により真の理解を確認することができ、確固たる土台を作り上げていくことが出来るのです。また、その際に理解の怪しい問題については「類題」で確認することが重要です。できればサピックスのテキスト以外からの「類題」が望ましいです。

 

解きなおしの注意点

繰り返しになてしまいますが、「勘違い」を看過しないこと。算数(理科も)において「4年生~5年生くらいまでは成績が良かったのに、どんどん下がってきた」という現象のほとんどが「勘違い」を放置していることが原因と言っても過言ではありません。

低学年の頃は、算数の正解に使われる数字も単純なものが多く、当てずっぽうもある程度当たりますし、丸暗記解法が通用する問題も多いです(作問側も、子供のモチベーションを維持するため、あるいは指導効果アピールのため、敢えて丸暗記解法の効果が表れやすいものを主とする傾向が見られる)。しかし、すでにこの時期から「解法の意味を理解した子」と「解法を丸暗記の子」では、かりに点数が同程度でも、水面下で確実に差は広がっていて、その差は遠くない将来に必ず姿を現します。成績が急落して戻らない生徒はまさに水面下の差が表にあらわれてきてしまった状況と言うことですし、今現在算数が得意な生徒でも、算数が得意なまま受験に突入できるかどうかは、しっかりした方法での解きなおしの積み重ねを行えているかどうかによります。

中堅以上の中学入試で、丸暗記解法が通用する学校など皆無です。

そのため類題を使ったり、言葉による理解の確認(子供に説明させるなど)は欠かせません。

 

算数の理解不足をチェックしてみよう!

以下の問題を解いてみて、しっかり説明できなければこの分野に関してはいつ急落してもおかしくない理解不足の状態です。

 

【問一】
デパートにエスカレーターがあり、1つ階を上るのにも下るのにも12秒かかります。また、エスカレーターを降りて次のエスカレーターに乗るまで6秒かかります。健太郎君は地下2階からエスカレーターに乗ってどんどん上ることにしました。すると、健太郎君がエスカレーターに乗り始めてから120秒後、エスカレーターを降りたところでお母さんを見つけました。お母さんは何階にいたのでしょう?

 

さあ、考えてみましょう。

・・・いかがでしょうか?お子様はしっかり解けましたか?

 

この問題は分野で言えば「規則性」あるいは「植木算」ということになるでしょう。植木算と言えば、「端を数えるときは+1、間を数えるときは-1、円状のときはそのまま。」と機械的に覚えているお子様も多いのですが、植木算とは「ものの位置関係を把握する」考え方であり、それは場面場面でさまざまな形状をとり、機械的な+1や-1だけでは通用しません。そして、その「位置関係の把握」は、算数のあらゆる分野で鍵となります。

 

上の問いでは、各階とそれをつなぐエスカレーターの位置関係が頭の中で正確に把握できれば問題ありませんが、少しでもイメージがあやふやであれば躊躇なく線分図のような絵を描いて確認するべきです(ものの大小や位置関係は、線分図などでイメージを具体化さえすればほとんどのものが解決できるのです)。

まず、地下2階から1階までは、地下2階→地下1階→1階と、乗るエスカレーターは2基です。1階から上は、2階までに1基、3階までに2基、4階までに3基・・と、(階数-1)基のエスカレーターに乗ることになります(植木算で言うところの間の数にあたります)。

健太郎君は1基のエスカレーターに12秒間、次のエスカレーターまでに6秒間というサイクルを繰り返しますが、お母さんを見つけた瞬間、次のエスカレーターへの6秒間は要らなくなります。よって、問いの120秒間は「エスカレーターの12秒間+6秒間」と言うサイクルから最後の6秒間が引かれているという考え方が成り立ちます。

120秒間+6秒間=126秒間(最後の無かった6秒を足して、同一のサイクルにする)
126秒間÷(12秒間+6秒間)=7サイクル
7サイクル-2サイクル(地下2階から1階まで)=5サイクル
1階+5サイクル=6階

よって、お母さんは6階にいたことになります。

式に敢えて言葉(単位)を付けましたが、お子様によっては式を書いているうちに数字の意味をあっけなく見失います。単位を付けたままの式はその対策として有効です。

 

【問二】
3ケタの整数のうち、4の倍数だけをすべて選んで大きい順に並べました。そのとき、ちょうど真ん中にある4の倍数は何でしょう?

 

これも一種の植木算、つまり位置関係の把握がカギです。この場合は整数の位置関係です。

3ケタの4の倍数は100、104、・・・996 これは等差数列(典型的植木算)です。まずは個数を求める必要があります。

996-100=896(100から996までの間は896離れているということです)
896÷4=224区間(896の幅を1区間につき4の大きさずつに区切ると224区間になるということです)
224個+1個=225個(各区間を区切る場所に4の倍数があり、端も含めるので+1します)

ところで、問いに真ん中とあるので、4の倍数は奇数個あることがバレているはずです。よって、225個は矛盾しません。偶数個に真ん中は存在しないという認識も重要です。また、真ん中であれば前から数えても後ろから数えても順番は同じです。よって考えやすい前から(小さい方から)にします。

 

225個÷2=112個 あまり1個(225個は112個と112個に分かれ、間に挟まれた1個が答えの場所です)
112番目+1個=113番目(答えとなる場所は、100の場所から数えて113番目です)
100+4×(113-1)=548(100から始まる間が4の等差数列の113番目の整数は、548です)

よって、答えは548です。

 

※これは解答へ至るプロセスの一例であり、他のプロセスももちろん存在します。
重要なことは、本人が完全に把握して進めているかということに尽きます。

いかがだったでしょうか?しっかり理解したうえで、正答を導けましたか?
こういった正答を導くプロセスの確認と徹底をおこなうのが、解きなおしの意味です。
もし、こうした作業を解きなおしでしてこなかった、出来なかったのであれば算数の成績が急落したとしても不思議はありません。「算数の成績をとりもどしたい」「いまからでも算数の成績を上げたい」のであれば、放置して来たこうした作業を再度積み重ねていく必要があります。しかし、受験までの限られた時間でこうした作業を効率よく行うことが出来るのは、サピックスの算数に熟練したものだけです。

当会講師による算数対策にご興味をおもちいただけたならば、当会のシステムをご覧いただきご検討いただけると幸いです。

 

サピックスのマンスリーテスト

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